【TPP問題】政府「開国フーラム」と「TPPを考える国民会議」第一ラウンド

開国フォーラム:TPP国民浸透に壁
「開国フォーラム」で来場者からの質問に答える玄葉光一郎国家戦略担当相=さいたま市中央区で2011年2月26日午後0時9分、西本勝撮影 政府は26日、公開討論会「開国フォーラム」をさいたま市で開いた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への国民の理解を深めることを目的に全国9都市で開く討論会の皮切りだったが、一般参加者からはTPPへの不安や情報不足への不満が相次いだ。一方、TPPに慎重な民主党国会議員らはフォーラムにぶつける形で対話集会を開催。菅直人首相が「平成の開国」と位置付けるTPPだが、前途は多難だ。【行友弥、乾達】

 フォーラムには、抽選に当たった約350人が参加。玄葉光一郎国家戦略担当相は冒頭「過去20年間、日本は低成長に甘んじてきた。アジアの活力の取り込みが不可欠だ」と述べ、貿易自由化の必要性を訴えた。

(「開国フォーラム」で来場者からの質問に答える玄葉光一郎国家戦略担当相=さいたま市中央区で2011年2月26日午後0時9分、西本勝撮影)

 TPPは米国やオーストラリアが交渉に参加し、「関税撤廃」が原則のため、安い農産物の輸入による国内農業への打撃が懸念されている。参加者からは「農家の平均年齢は66歳。このままでは日本の農業は崩壊する。農家の大規模化しかない」とTPPに賛同する声もあったが、「TPPで食料自給率が下がり、(海外からの輸出が停止された場合)日本は生きていけない」「6月に参加の是非を判断するのは乱暴」など慎重な対応を求める意見が相次いだ。

 TPPは、農業のほか、規制改革など計24分野で交渉が行われている。会場からは「農業以外の分野の情報が開示されておらず、影響が分からない」との質問も出た。平野達男副内閣相は「日本はTPP交渉に参加しておらず、きちんとした情報が提示できない。情報を集めている段階」と答えるのが精いっぱいで、政府の情報不足も露呈する形となった。フォーラム終了後、玄葉担当相は記者団に「情報提供をうまくしなければいけないと改めて感じた。地方に行けば行くほど慎重な意見が多くなると思うが、しっかりと説明したい」と述べた。

 一方、TPP参加に慎重な国会議員らによる「TPPを考える国民会議」(代表世話人宇沢弘文東大名誉教授)は26日、甲府市内で初の対話集会を開き、地元の農業団体や労組、生協関係者ら約150人が参加した。

 集会では、同会議の世話人を務める山田正彦前農相が「問題は農業だけでない。米国が求める自由診療制度の受け入れなどを迫られ、国民皆保険制度が崩れる恐れもある」などと指摘。参加者からは「日本の風土や文化も揺るがす問題。情報が得られないのでは、国民的議論のしようがない」などの声が上がった。

 TPPをめぐっては、松木謙公前農水政務官が23日、「TPPの議論は唐突に出てきた」などとして辞任を表明。24日には篠原孝副農相が「開国フォーラムはやるべきではない」と発言するなど、閣内でも足並みが乱れている。フォーラムは3月21日まで開催し、政府は6月にも農業改革の基本方針をまとめ、TPP参加の是非を判断するが、国民の幅広い理解を得るのは容易ではない。

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毎日新聞 2011年2月26日 22時39分(最終更新 2月27日 0時14分)

http://mainichi.jp/life/money/news/20110227k0000m020059000c.html

先日「TPPを考える国民会議」のHPをお知らせしました。
そのとき掲載されていた政府推進企画「開国フォーラム」と、阻止派の「TPPを考える国民会議」がともに第一回目が開催され、その報告記事が上記毎日新聞記事ということです。

「TPPを考える国民会議」の近畿地区での日程は、次の通り。

近畿地区
 〇日時:3月27日(日) 14:00
 〇場所:ラッセホール (兵庫県神戸市中央区山手通4−10−8)

参加して、内容の把握に努めたいと思っております。


次にこの問題に反対の立場から精力的に取り組んでいる通産省官僚で京大教授の中野剛史さんのNPO法人アジア太平洋資料センターでの直近の座談会が掲載されています。
ここは他にもTPPの資料等を発行していますので参考にしてください。

 → http://www.parc-jp.org/