大阪市に松下政経塾の田中某に古賀茂明だと?!もう吐き気がする!

大阪市橋下新市長が、副市長に元横浜市長の田中某を、また顧問に元経産省官僚の古賀茂明氏を要請、ふたりとも快諾とのこと。
二人とも、なかば元の職場を追われるようにして辞めた人物であり、その後TVタレントとして活躍しているところが共通している。
橋下市長とすれば、同じように変革と制度改革を訴えてきた同志と思ったのだろう。

この人事案で受けた最初の印象は、東京で受け入れられなかったことを、大阪で敵討ちかいな、というものだった。実際はふたりとも仕事の実績はよくしらない。田中某については評価は二分しており、週刊誌のスキャンダルめいた話はもとより信用できないから人格もよくわからない。TVでの発言でわずかに考え方の断片を知るのみである。地方自治の範囲ならば、若さと熱意で期待できるかもしれないとも思う。しかし、発言は新自由主義の臭いがして、好きになれない。生理的にも松下政経塾という括りでみてしまうせいか、軽薄さと無思想の印象はいなめない。大丈夫か?田中で、というところだ。



古賀茂明氏についてはまじめなひとだろうと見受けられるが、そこが危険なところだ。昼間暇だったので彼についてはツイートしてみた。あの物腰と人格なのでみんな騙されそうに思ったので、やや厳しい批評になったが、それぐらいで丁度よいだろう。
以下俳愚人のツイート。

大阪へ、田中に古賀茂明だとさ!何でも破壊し、規制撤廃すれば自動的に社会はよくなると思ってる単細胞新自由主義ばかり。橋下は東京で否定された市場原理主義を大阪で実験するつもりなのか⁈大阪府民はモルモットか?混乱と弱者への虐待が続くだろう。

古賀茂明は改革の旗手のふりしてたから私も支持した。で著書「日本中枢の崩壊」を読んでトンデモな官僚だと気づいた。入口論ではごもっとも。こういう自惚れた傲慢ちきなやつが会社にもいるんだな。バカなやつや出来の悪い官僚は首にすればいい、弱い会社は潰せばいいのに補助金は間違いだと。

古賀茂明のようなエリートできた人間にありがちな独善である。一体誰がバカで出来の悪いやつだと評点をつけるのだ?特に事務部門の人事能力評価は、富士通の失敗に代表されるようにほとんど民間でも上手くいかず、不公平感からモチベーションを下げることが解っている。
古賀は無意識に付ける側に立っている。エリートや官僚の度し難い傲慢さだ。これが実は霞ヶ関に蔓延する停滞の根本だということが解っていない。

古賀茂明がいう程度の解決課題は心ある官僚は解っているはずた。しかし古賀が潰したり日干にしていいという対象は、現に生活している生身の人たちである。だから一気に劇的にいかないことを承知しながら、最低限のリスクで変革の着地をしようとする。勿論官僚世界の着地が省益に傾いていることは解る。
しかしここからが本当の体制内変革者か自惚れ屋かに別れる。俺の指摘が解らないヤツはバカだと罵り孤立するか、バカも巻き込み思想を普遍化するかの違いだ。傲慢な古賀は、己を殺してコトを成さなかった。自著にもあるが、何度も目を掛けてくれていた先輩たちから言動の忠告を受けていた。中途半端にできる人間にはよくある話だ。

弱い会社が補助金で生き残るから、強い会社が巻き込まれ値段競争で業界全体が沈んでしまうと古賀は言う。一面の真理だが、ゲームとは違う。従業員と家族の何万という生活補償をどうするのか?古賀はエリートだからいつも食える側にいて思考する。
だから古賀茂明は、自著でセーフティネットという言葉はわずかに一行しか述べていない。あの分厚い本で官僚の生態と政策を展開しながら、庶民の生活がどうよくなるのか、国民の社会保障セーフティネットに何も言及していないのだ。あたかも企業や政策は無機質なゲーム展開のように叙述しているに過ぎない。従って当然TPPの強烈な推進論者となる。

古賀茂明の危機感は疑わない。しかしそれは全くエリートの高見の論理であり、独善の域を出ない。国民の被るリスクと、規制撤廃によりまた補助金打ち切りにより困窮する生活者へフォーカスされていない。これは古賀などの新自由主義者の最大の欠陥なのだ。私が入口論では共感し出口論では詐欺師と呼ぶ所以である。

ちなみに橋下市長の最大の誤謬は、市場原理主義の提唱者フリードマンさえ教育と医療は市場主義にはなじまないと言ったことをやすやすと踏み越えてしまっている点である。