なぜ野党は衰弱するのかー「法案の与党による事前審査制度」が重大な欠陥!

図書館で久しぶりに新聞というものを読んだ。月に一度読めばいい方になってしまっている。
久しぶりに接すると、なるほど便利でこれは大変なものだと改めて思う。
中で作っている時代は、ルーティンだからこんなものだと毎日ボーと過ごしていたが、毎日ということはやはり大変なもんだと思う。
で、収穫があった、というか己の盲を拓かれた。
 なんのことかというと、ふと目に留まった記事だ。
野党がどんどん衰弱していく、戦闘力をなくしていく、挙句の果てに批判ばかりしていて対案をだせなどもっともらしい批判が蔓延して、野党の本来の役割を知らないアホ党首が乗っかって与党補完勢力に堕落した。
いまや野党は存在しないに等しい。
朝日新聞2023.5.26朝刊の三段1/2ぐらいのコラムに、重大な指摘があった。
同志社大政治学科教授の吉田徹の指摘だ。
野党の機能不全は、議会運営の制度的欠陥にあるのだと。
かつての55年体制が始まり、自社二大政党政治がはじまったが、
与党自民党は、法案の国会提出前に政府と詳細を詰めてしまい、
野党は議会で法案修正などに関与できなくなっている。
いわゆる「法案の与党による事前審査制度」である。
日々政局で見せられているので、当たり前のことだとみんな思っているだろう。
また与党自民党は通らないとなれば、強行採決してしまう慣例が根付いた。
野党は、批判勢力として国民の負託をうけているので、存在を示すためには最大限反対していることをアピールするしかない。
例えば、牛歩戦術とか日程闘争など。
しかし今選挙民は、過去の「成果の分配」より「分担の分配」を求めており、生活に密着した分野にスピード感をもって解決することを要求する。
政治の批判や論議自体が無駄だとおもっており、効率性を要求している。
不信任決議案などより、政策要望が強くなっている。
吉田教授は、野党が野党というだけで実質的な政策に関与できないという不利があると指摘。
権力分散によるチェック機能が国会で喪失し、国会が演芸会に堕落している。民主主義の劣化である。
「法案の与党による事前審査制度」は、昭和にできて、とうとう昭和より劣化した政治を保証している要になっているのだ。