民主党代表選への新聞論説への批判


菅首相と小沢氏 権力闘争鮮明に
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1322019&media_id=2

案の定予想していたとは言え、各紙似たり寄ったりの代表選への社説だった。

mixi内意見は学生若者が多いのだが、もうほとんど選挙や小沢への批判や揶揄が多いだけで真面目にじっくり考えた形跡のあるものはなく暗澹とさせられる。

確かにその感情は判らないではない、偏に政治の側に結果したものの責任はあるのだ。もう少し全うな政治の磁場を作って欲しいと思う。

しかし、今の政治状況から逃げようもなく、国民生活は逼迫している。
mixiやブログでウダウダいっている暇人はまだしも、生活に追われたり職がなく腐っている人は黙々と声なき声を発しているだろう。

わたしが何をしたというの、人並みの不安のない生活をさせて欲しい、どうしてこうなってしまうの、と。

政治家は国民が選んだ、この逃げようのない事実から自分だけではなく、子供孫の世代も含めたしっかりした政治をつくっていくしかないのだ。

<読売新聞の社説(2010,8,27朝刊)>
1.参院選前、政局混迷の責任をとって止めた小沢を代表に押すのは納得しがたい。

2.小沢はマニフェストの「原点回帰」を唱えるが、子供手当てのバラマキなど甘い財源見通しだったために公約実現できなかったわけだから、マニフェストにこだわるなら財源行程表を示せ。

3.「政治と金」問題の説明をせよ。

4.菅総理もこの間の政策がみえずこの事態を猛省ししっかりしてほしい。

予想されたメディアの反応である。
TVでは無意識の刷り込みに汲々として、反小沢の議員生方などをわざわざメコンテイターにまねいているところもあり、あるところは小沢不利の勢力グラフをしめしたり、既得権益層はできることなら菅総理で継続したい意図がみえみえであった。

読売の社説は、確かに日々自分の生活に追われている人にはこの程度の認識が一般的で、それを代弁しているとみれば妥当なものではある。

しかし、少し考えれば全てがただの因縁にすぎないことが判る。

参院選の大敗北の前と後では当然執行部責任が発生しているはずで、それを黙殺してきた菅執行部への批判的立候補は、経過は別にして党員が自由に決定する権利を有している。

民主党は鳩山、小沢、菅のトロイカ体制できたわけで、その批判の結集軸が小沢になることは、当然の成り行きだろう。ほかに実力者がいないわけで党員が担ぐことに対して小沢が拒否する理由はなかったということだろう。

しかも、鳩山の仲介、小沢の仙石、枝野更迭で挙党体制の提案で収拾しようとしたのに対して、ソフトランディングを蹴ったのは菅総理側であり、自分で決戦を選択した。小沢のせいにするのはお門違いであ。

政党政治と議院内閣制である限り、党内人事と方針を外部がとやかく言うべきでない。文句があるら、現在の政治システムをいうことである。

2の予算と原資の問題は、確かに小沢に限らず、民主党内閣ははっきりすべきである。

今度の補正予算菅内閣が明確に財務省主導に陥ったことが明確になるはずだ。

事業仕分けなど、やっても何も拘束力がなければただの大衆迎合のパフォーマンスだ。

事実、野中広務自民党幹事長が理事長の砂防ダムの団体予算は、野中がわざわざ小沢に直談判したが小沢は半額カットで譲らなかった。

それが今度の修正案では全額復活しているという。

このように政治主導を放棄し、官僚に乗っかっている限り、具体的財源を云々すること以前に、思想として予算の優先順位の問題なのである。

だれも小沢なら財源がどこかから沸いてきて一挙に解決するなど思ってもいないし、そんな論法は貶めるための議論にすぎない。

原点回帰とは、①限られた予算の中で、政治決断で優先順位をつけること、②一般会計と特別会計を一本化して、各省庁と外郭団体の間でいききしているマネーロンダリングをあぶり出し、国家の資産をシッカリ把握すること。そのために複式簿記を導入し経済学者でもベースの数字をまちまちに論じている話を透明化することである。

財務省米国債を大量に買っているが、どれくらいか誰もしらない。一部の官僚だけがわかっているだけで、政治家も大本営発表を鵜呑みにしているだけだ。この異常性はどうだ。

因みに、今度橋下知事は東京都に続いて複式簿記導入を明言している。

鳩山、菅政権はそれらをあいまいにし、大甘の財務省主導のままである。ちょっと聴くと、財源の行程表を出せというのは正論だが、それ以前の問題を処理してからでなくて、どうして組めようか。

なぜ今円高が進行しているか考えればわかることだ。財務省がいう脅しは一部事実ではあるが、世界一の債権国で、借金(国債)といっても全て自国民が国債を買いまくって支えているのである。それからすれば借金900兆円も今の時点では殆どチャラだろうとみている。
外人からみれば円が安定していると見えるのは理の当然なのだ。

また、小沢は政権交代直後に、この予算が膨れ上がる元凶である政務調査会を廃止し、族議員の跋扈を封じ込んだ。そして官僚への陳情を禁止し地方の民主党から幹事長室へ一本化する改革を速攻で成し遂げた。

これを、反小沢派は小沢独裁だと批判したが、万一制度設計の不備がでてきたとしてもそれは後で修正していけばいいことで、新しく改革したという実績と姿勢を利害関係者に決然とみせるということが、政治権力の役目なのだ。

その間、政治主導の核になるはずの国家戦略室はどうだったか。菅国家戦略相はノラリクラリ、最も要になるはずの組織を機能回転させず放置した。このときから既に菅総理は、国民への約束を裏切っている。

三番目の「政治と金」はメディアの定番で、もう枕詞のごときもだからうんざりするが、B層が乗せられるからそうも言っていられない。

今日ひとつ学んだことがある。現在検察審査会で審査されている陸山会の不動産購入にからむ問題が、検察も弁護側も会計処理方式の理解不足から混乱している事実である。

あるブログが、完全解明していたが、損益計算書の記入方式には発生主義と現金主義の二種類がある。
(参考http://financial.mook.to/accounting/01/structure_13.htm
企業は発生主義。政治資金記載方法は通常の企業会計とは違って、現金主義に近い。
従って、現金主義で小沢事務所の報告を解析すると、現金出納帳と報告書と年度預金残高は何の誤差を生じない。

検察の訴状そのものが、陸山会と小沢個人と銀行取引を混乱してゴッチャにしている結果だということが疑える。

この弁護側も検察主張の事実認識から発しているため混乱している。資金団体が不動産購入できないために、小沢個人がわざわざ4億円を銀行から借り入れ、陸山会へ貸付、一方不動産の管理権貸与という処理をしているため金の出入りと記帳の「非常識」ともみえる複雑な結果になっていることがわかる。

現金主義で流れをみると4億円の動きも、2億円ずつの小沢からの貸与と返金も説明がつく。
はっきりいって4億円が賄賂で水谷建設からの5000万円が含まれているというみなしは、冤罪であるといえる。

これではあれだけえげつない石川議員の取調をしても自白しようがなかったわけだ。石川議員に会計知識がすこしでもあれば、法務省の記入指導では仮払金自体が不記載でも違法ではないとしており、これを主張できただろうに。

さらに驚いたことは、小沢事務所の報告書には次の処理が載っている。

<2006年収支報告書>

2004年入金→(その他経費)返還金¥120,000 水谷信夫
2005年入金→  〃       ¥120,000 川村尚(桑名市

この事実は、すでに2004年段階で、水谷建設を要注意業者としてブラックリストに含め返金していることである。

こうした事実が明らかになると、石川議員がホテルで紙袋で5000万円が賄賂として渡したという話は殆ど信用できず、やはり福島県知事の収賄事件の冤罪の因になった水谷社長の偽証が再び起きたと思わざるをえないのである。

ちなみに、実際のゲンナマの賄賂受け渡しはホテルの衆目がある喫茶でなんか危なくてやらないとプロは言っている。直接指定した部屋へ置いてくるか、いきなり車のトランクへ放り込むのが常識らしい。
その筋のプロからみても水谷証言はありえないと述べている。

このソースを見失ってしまったので、同じ内容と思われる別のブログを案内しておく。
http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/316.html
記事風にするとどうしてもわかりにくいのだが参考にしてみてください。