圧勝民主党とは、第二次自民党なのか?都民を騙すなかれ!

つも氏という方よりコメントがありましたので、参考にエントリー欄へ掲出しておきます。(つも氏には無断で失礼します。不都合あれば消去します。)

追記あり(7月14日)

確かに都議会レベルではNOの表示が出ましたが、政治家はどう受け止めたのか、今後も民意を明らかにして問うていくことがほんとうは大事なことです。

わたしは東京外環道問題の住民運動に少しばかりかかわっていますが、民主党は無駄な公共事業は反対といいながら、巨額の費用をかける外環道は何の問題意識もなく賛成といってはばからないという、なんとも能天気さです。
石原がごり押しで仕方がないのでというのでは駄々っ子に飴玉くれてやるとでもいうのか。


今月号の「世界」には道路問題特集が載っています。
日本はすでに有数の過剰道路王国で、しかも、いまだに作り続けているのです。


これでは、肝心の雇用や、医療、福祉、教育にまわす財源が足りないのは当たり前でしょう。
自民党は馬鹿の一つ覚えで「財源がない」といっていますが、巨額の公共事業費をばらまいて
なににつかわれているのか判っているのでしょうか。景気対策に土木事業が効果を上げたのは昔の話でいまは、第三次産業がGDPの大半を占める以上、そこに投入すべきで、中小企業や減税のほうが必要で効果的な対策なのだということは自明のことではないでしょうか。
もちろん減税は所得基準を入れるべきでしょう。


ところで、先の静岡県知事選で辞任した石川知事がまたのこのこと出ていましたが、この静岡空港建設はこれまた世紀の税金無駄使いの象徴で、赤字が明らかで住民が大反対しているのに強行に工事を進め、案の定作ったはいいが、閑古鳥。
それもそのはず、役人のあいもかわらぬ過大見積り、取らぬ狸の皮算用で大誤算のしろもの。なのに、推進した前知事は議会でも支持を得ていて、私に責任はない、決まったことを進めただけだという。


このひとも官僚上がりの知事で、自分には責任はないというのが、官僚の口癖なのだということが良くわかる。
こうして、全国各県に赤字の空港がつぎつぎにつくられ、予想通りの赤字路線で減便に泣いているというばかばかしい有様なのである。


それにしても、あの地権者は一人で戦い、知事の首を取ったのだからえらい。
しかし、あの知事ではとられた首が軽かったのはいたしかたあるまい。
これからも、第二東名JR東海リニア新幹線など巨大事業が目白押しである。
首を洗って待っておけといいたいところだ。
この国はもう 国敗れて山河あり などではなく、国破れて人の通らぬ道路が残る 
という滅亡の様子が見えてくる。


(管理者注)
静岡空港の建設費以外の最大の問題は、JAL福岡便の搭乗率保障である。
利用率70%を基準に未達成1%につき3800万円を税金で穴埋めする契約。
5月4日の開港以来利用率は60%を割っている。

なお、石川前知事に自民と相乗りしてきた民主党は、連合静岡が空港推進派だったためその支持を得るためズルズルと建設推進派の一翼を担った。
あれだけの反対運動がありながら、また空港建設是非の県民投票を知事が公約しながら実施せず(議会多数派自民党が実施法案を否決したためと石川前知事は言い逃れ)、それに対し民主党はなんの対応もしなかった。

【追記】
この静岡民主党問題は「きまぐれ日記」さんが簡潔にまとめられているので参考にしてください。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-950.html

さらに静岡県民の「NOW HERE」さんの知事選の内幕レポートがリアルで民主党の典型的問題点を浮き彫りにしている。静岡県出身の管理人も共感する知見である。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090706/1246893163


今回の民主党圧勝の陰で、早くも問題の火種がいくつか見えているので、この際浮かれる民主党と民主や自民や森田健作などへフラフラ気分で投票しているB層へ冷や水を浴びせておこう。


最大の問題は、政権交代への希求が民主党という一極へ集中化して圧勝になっていると判断していいのだが、わたしたちは民主党自体を全面的に支持しているわけではない。


あくまでも、希求しているのは政権交代であり、旧来の自民・官僚・補完物としての公明、共産、旧社会党的なるもの、あるいは連合なる翼賛的労組に対して、「ノン」といっているわけであり、政策でいえば政官から財へのばら撒きではなくて、小沢一郎の掲げる「国民生活第一」という政策の実現である。


それは端的に、明治政府以降の「富国強兵」、「殖産興業」の終焉ということで、上からの近代化の最終表現であった官僚主導と利益誘導政治の55年体制の終焉ということである。


その内実は今明確に「ではこれだ」と言い切れる人は一人もいないだろう。
各方面から出ている論議や民主・野党のマニフェスト(グランドデザイン)をたたき台にしながら、国民が一致強力して着地点を模索していくことになるはずだ。
それは明治維新政府の賢人たちが、四苦八苦して模索した事情に似てくるだろう。


そういう意味で、民主党が他の野党小政党を飲み込みすぎても困るし、小党派もそれなりに生き残れる選挙戦を民主党は模索して欲しいと思う。


つも氏のコメントにみられるように、民主党はまだらのように自民党的なものを残し、その補完物である翼賛労組「連合」の意向を無原則に受け入れているようにもみえる。


小沢一郎の「国民生活第一」が空念仏に終わると知ったとき、そのときは日本の政党政治に対する絶望と、その結果としてのネオ・ファシズム政党の躍進を容認する時代が間違いなく来ることを、民主党も国民もよく肝に銘じておく必要があるということだ。
その意味で、民主党や野党に投票した都民は、日本近代政治のなかで、極めて危ない崖っぷちを走っていることの自覚を十分もつ必要がある。


わたしは個人的には、鶴見俊輔氏が言う「三流国家への道」を模索せよ、という提言が、小沢のいう「国民生活第一」(スローガンだけだから内実を実体化せよという意味)とリンクされることが望ましいと思っている。


それには民主党は、都政が惰性で進めてきた公共工事や住民が反対しているものをもう一度ゼロから見直し、住民との話し合いのテーブルを持つことから始めるべきだと思う。

【追記】
いつもスターのマークを灯してくださるかたには、深く御礼申し上げます。
おかげさまで、プログランキングも過去最高の人文総合の部16位へ入ってまいりました。
皆様に報告とともに御礼申し上げます。