元祖スラップ訴訟とも ダブル選で都構想を目指す吉村大阪市長候補の知られたくない過去

吉村元市長の貌が以前から気になっていた。

どこかダーティなヤンキーの雰囲気をかもしている点だ。

暴力団と普通の市民の間のグレーゾーンに生きていた人種であると知って、なんとなく合点がいった。

それにしても、維新創始者橋下徹も、飛田新地売春街の置屋組合の顧問弁護士という経歴、維新の会には「弱気を助け強きを挫く」優しい人物がいないのはこんな幹部たちの体質にあるのだろう。

 

これは外国特派員記者会見を、ジャーナリスト及川健二氏が報告した記事です。(2019,2,21 https://sirabee.com/2019/02/21/20162012507/?FROM_WEBVIEW)

大阪府松井一郎知事と吉村洋文大阪市長20日、東京都丸の内にある日本外国特派員協会で記者会見し、大阪経済の成長を目的とし、市を廃止して府とともに行政機能を再編、特別区を新設する大阪都構想の実現に改めて意欲を示した。

■「クロス選挙」を見込む

両氏は停滞する都構想で「民を得た」という錦の旗を手にするために、統一地方選挙に合わせて、ダブル辞職し、松井氏が大阪市長選挙に、吉村氏が大阪府知事に立候補するクロス選を行おうとしている。

現行制度では、松井氏や吉村氏が辞任して現在のポストに当選しても任期は今秋までと変わらない。ポストを交代すれば、勝った場合、任期が四年になる。

吉村市長が抱える「爆弾」

とりわけ有力な対抗馬が見当たらないダブル選だが、爆弾を抱えているのが吉村市長だ。敵対するジャーナリストを盗聴し(会長が命令。逮捕)、厳しい取り立てで知られた武富士の弁護士だったのだ。

武富士は自社を批判するジャーナリストに高額賠償を求めて訴訟をいくつも起こした。「元祖スラップ訴訟」と言われる所以だ。

筆者は特派員協会会見でその点を追究した。『週刊プレイボーイ』で武富士の実態を連載しているジャーナリストの寺澤有さんに吉村市長らが武富士の弁護士となって2003年、2億円の損害賠償を求めて提訴。

しかし、武富士側は盗聴事件が問題になるや訴訟を放棄。寺澤氏は2006年、武富士と2億2000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求め、東京地裁に提訴した。東京地裁武富士側の訴権の乱用を認め、寺澤氏への賠償を命じ、武富士は寺澤氏に1000万円支払った。

■「弁護士の仕事」と弁明

吉村洋文

筆者はこれらの事実を述べて吉村市長に「訴権の濫用で認定されるような訴訟に弁護人として加わったことを、今、どう総括してるか、伺いたい」と尋ねた。吉村氏の回答は以下の通り。

「これは弁護士時代のご質問だと思います。弁護士の業務というのは、どんな状況であれ、そのそれぞれの立場、それぞれの意見と、自分のクライアントの意見というのをしっかりと出して、それは双方がやって、そして最終的に裁判所がそれを判断するという仕組みです。


例えば、極悪な殺人犯であったり強姦犯であったとしても、言い分がある部分がある。これについては、弁護士というのはその言い分を裁判所に上げて、そして最後は裁判官が判断すると。それがまさに弁護士の仕事であり、弁護人の仕事であるということです」

 

■弁護士の正当な業務なのか

これを聞いていた大手週刊誌記者は次のように言う。

「一般論で逃げて、ジャーナリストを盗聴させるような反社会的な企業の弁護をした社会的責任について一切答えていない。

『極悪な殺人犯』にも言い分があるといいますが、光市母子殺害事件の弁護人に、『一斉に懲戒免職をかけろ』とテレビで呼びかけたのが、吉村市長や松井知事とい今も懇意である『維新の会』創業者の橋下徹弁護士です。吉村市長の言い分は二重三重におかしい」

スラップ訴訟の被害者であるジャーナリストの寺澤有氏に吉村市長の言い分に関する感想を聞いたところ、

「もともと名誉毀損にあたらないことをわかっていながら、『週刊プレイボーイ』の連載を中止させたくて、損害賠償2億円を請求する訴訟を提起したものであり、威力業務妨害や恐喝未遂に類する行為だと思っています。とうてい弁護士の正当な業務とはいえません」

と辛辣な答えが返ってきた。大阪府知事大阪市長のダブル選は4月に行われそうだが、はたして、吉村市長の「知られたくない過去」は争点になるのであろうか。