野田内閣を裏からみれば財務省!

公務員制度改革を放棄してきた民主党政権の究極がこの野田内閣なのではないか。
枝野と蓮舫議員が、派手に事業仕訳で決定した国家公務員宿舎の建設中止したにも拘わらず、財務省主導で着工が始まっている。予算105億円である。誰が認めたのか?もちろん前財務大臣である。野田総理そのひとだ。

管は8月にはすべての被災者が入居できる仮設住宅の建設を約束したはずだ。それは結局反故にし一言の謝罪もなく管は去った。
この対照的な建設事情は、民主党内閣がどういう性格か端的に物語っている。

新閣僚は誰が見ても吹けばとぶような人物ばかりだ。実務経験不足というだけではない。人格が破綻しているのではないかと思われる大臣が何人もいることも珍しい。というわけで、あまり論評する気にもなれない。

むしろ興味をひくのは官僚人事だ。

官僚の最高ポスト内閣官房副長官に竹歳誠。現役国交次官からは異例であるが、財務事務次官と親しくことで決まったという。もともとは読売新聞へ天下っている財務官僚丹呉泰健を据えたかったようだが、財務省主導人事が露骨にでるのがまずいということで、財務省人脈に親しい竹歳に決定。
このポストは旧内務省系(自治、警察、厚生)からおくりだしていたのだが、財務省の後ろ盾で国交省現役官僚がつくことも異例の人事らしい。

内閣官房(官邸)に出向していた財務官僚佐藤慎一を戻して財務省総務審議官に。佐藤は税務の専門家、総務審議官は財務省のトップで省の司令塔。

文書課長の財務官僚星野次彦を戻して主税局審議官へ。文書課は国会対策を司どり、将来のエリートの登竜門とされている。いわば若手のエース。

公共担当主計官井上裕之を主税局税制一課長に据える。一課長は基幹税を担当する部署である。

そして極め付きは、入省年次の最古参部類の主計局次長太田充を首相秘書官へ転出。つまり野田総理の耳元で日々財務と税務の財務省見解を囁き指南をするお目付け役である。

この布陣は、明らかに増税推進体制であり、大臣は財務省のいいなりになる軽くて口のうまい人物がいい。やることは決まっているのであるから、ただ無難にプロパガンダに専念してくれたらいいということだろう。その点元NHKの安住とはよく考えたものである。

総理の側近へ、官房の中心へ、マスコミ対策へ天下り財務省の税務部署にエース級を布陣したこの体制は、民主党とマスコミと内閣が、増税にすでに舵をきった証左というべきではないか。

しかも野党も増税には反対していないというのだから、亡国ファシズム体制が始まったことは明らかなように思う。

(参考)高橋洋一の論説